町田のフリー台本/簪夜帳

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アタシだけを慰めて。/語り台本

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「」→セリフ

昔話っぽく書きたかったのでやってみました

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アタシだけを慰めて。/語り台本

 

むかしむかし、歳の割には無知が多い少女が居ました。

少女は仕事を探して知人に訪ねました。

知人の男は店を紹介するといって、少女は夜の街へ飛び込みました。

そんな世界とは知らず少女は仕事を始めます。

 

少女はカウンター越しにお客さんと談笑し、

お酒を作り、仲間の少女等と関係を作り、

時より歌を歌いながら息のしずらい生活を始めました。

仕事終わりには近くで働く友達と食事に行きました。

心優しい少女は自分も大して稼ぎが無い中、

友達に食事を奢ります。

「一緒に頑張って行こう」

2人はそう言ってお互いの仕事の事を話しました。

 

時は過ぎて少女は、カウンター越しの接客を辞めて、広い部屋に入りました。

そこにはお風呂とベット沢山のタオルがあります。

少女は決めたのです。

「こんな世界に来たのなら、もっと稼ぎたい」

少女は自分の意思で身を捧げました。

この場所はあまりにも理不尽で、欲にまみれた汚い大人がやって来ました。

少女はまだこの世界を理解していませんでした。

 

ひと月が過ぎた頃、唐突の閑散期が訪れます。

世の中が病に侵されたのです。

予期せぬ出来事を目の前に、少女は出来ることを必死でやりました。

少女は毎日毎晩誰も先が分からないこの状況と、無知で無力な自分に涙しました。

 

お店と相談しながらせめて足しにでもなればともう1つ仕事を増やしました。

それでも厳しい状況が続きました。

毎日あるか無いかの仕事に心は疲弊し、

いっそのこと死んでしまう方が楽なのではと

そんな事を思うようになります。

 

そんな状況をみて友達から提案されます

そして少女はその提案に賛成し、新たな地へと向かいました。

保証があるだけ心はまだ保てているという状況は逃げたくなる時もありました。

少女は新たな地で決めた期日を成し遂げ、また笑顔を取り戻しました。

その笑顔は何に満足して、何が満たされたのか少女には分からないままでいます。

 

あの時まで少女は化粧の1つも知らない、

何も知らない無垢な少女でした。

あの時の決断が少女をオンナにしたのです。

オンナになった少女は明日死ぬ覚悟を持って

今日もまた、その身を見せて売っています。

少女はマジックミラー越しに微笑んで、手を振ります。

そして笑顔で見送ります

「ありがとうございました。

楽しかったです。

また来てね」

当たり障りのないこと言葉を少女は口にします

その日会う人に1つ1つ奉仕を添えて

甘い声で鳴くのでした。

 

「アタシの為に誰かのモノになっても

心はアタシのままで。

たとえアタシを否定されても、アタシはアタシを肯定してあげたい。

いつもアタシを慰めるのは、誰かじゃなくて

アタシだけ。」

 

オンナになった少女は、あどけない少女の素振りでお客さんの前に居るのでした。