町田のフリー台本/簪夜帳

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鏡の中の。(セリフ朗読)

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セリフと朗読の混合?

「」はセリフ

〈女〉は女のセリフ

その他は男のセリフです

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〈女〉「私は美しくないかもしれない。

でも、もうひと人格の私は美しい。

こうでしか自分を愛でてあげれない私は、

可哀想なのかしらね。」

 

そう君は言っていた。

君は美しかった。

どんな美人よりも美しかった。

可憐(かれん)、妖艶(ようえん)とは君の事をゆうのだろうと思った。

白く透き通る肌は陶器の様に、なめからな髪はシルクの様で。

君は美しかった。

 

〈女〉「私を美しいだなんで、数々の男はそう言う

そして、女も。

私は私を愛せない。もうひと人格が美しいのよ。

それはきっと私なんだけれど、私からしたら別の子なの。

誰にも分からないわ。こんなこと。」

 

「僕は僕をおかしいとは思ってない

だけど、みんなおかしいと言う。

それと似ているんじゃないかな。

自分は思ってもいない事を他人は思っている

そう言う事かい?」

 

分かるとは言えなかった。

だけど、解りたかった。

たった1人の世界でたった1人の美しい人である君を解りたかった。

 

〈女〉「そうね、きっとそうよ。

私は思ってないけれど、他人にはそう思われている。

だから私はそうでなくちゃいけない。

困ったものよ。

私は美しくありたくないのに、他人が美しいと言うから、私は美しくなくてはいけない。

理不尽ね。」

 

「理不尽か。

そうだ、理不尽と言う。

僕等は理不尽で他人を作り上げている。

その人の本質より、見た目の判断が1番なんだ。そんな事が当たり前だなんて、

人は身勝手な生き物だ。」

 

〈女〉「貴方はどうして私を解ろうとするの。

貴方は貴方で、私は私なの。

他人と他人は分かり合えない。

私と言う人格が持つ心と、貴方と言う人格が持つ心は違うのに。

…こう思うのも身勝手ね。」

 

君は困った様に言っていた。

人間という生き物は難しい。

自分の思った感想が、相手に対しての押しつけになってしまいそうで、嘘ではなくて事実のハズなのに、本人が思う事では無ければそれは押しつけになるのかもしれない。

あの人はこう言う人と言う感想は、その人を作り上げてしまうのだろう。

 

「人は難しい生き物だ、他人が勝手に違うと思えばそれは間違いになる。

男が女に憧れること、その逆も。

普通なんて誰かが勝手に作り上げた代物なのにそれを当たり前だと生きているんだから。

本当に分からない。」

 

〈女〉「世の中の当たり前からズレてる人は間違いだなんて、これこそ理不尽よ。

私は私でありたいのに。

私なりの普通を生きていたいのに。」

 

「自分を殺すってゆうのはきっと、

自分の中に居るもうひと人格を殺すって事なんだと思う。

生きていくのに自分は2人も要らないと、

そう思った人が言ったんだ。」

 

〈女〉「私だけしか知らない人は美しいといい。」

 

「僕だけしか知らない人はおかしいと言う。」

 

〈女〉「悲しいものね。私も貴方も姿は違えど同じ人間なのに。」

 

鏡越しに話したこの話は、

性別の違う人格になりたい僕の話。