町田のフリー台本/簪夜帳

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【朗読・語り】恋の行方(ゆくえ)

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【朗読・語り】恋の行方

 

どうして誰も分かってくれないんだろうか


つらいこと、苦しいこと、悲しいこと。

嬉しいこと、楽しいこと、思い出。

喧嘩した、怒った、傷ついたこと。

生きてたら誰でも経験すること。

私が知らないこと。

人を好きになるという心。


気取ってるとか、格好つけているとか、そういう訳でもないのにこう言えばみんなは勝手にそう思う。

どれだけ説明したとしても理由があっても分かって貰えない。

分かるよなんて言われても私とは全く違う言葉ばかり。


恋愛的な感情移入が出来ないだけ。

たったそれだけ。

だけど世の中の人間は人を好きになって、お付き合いをして、結婚して、いつしか子供ができるでしょう?

そうではない人も居るけど物語の中でも生きてるみんなも大体がそうでしょう?


恋愛的な意味で言う好きだけが分からない

人間的に好きな人は居てもそれが恋愛的な感情があってなのかが分からない

胸がいっぱいになるだとか、きゅんとするだとか、苦しくなるだとか。

漫画を読んでもアニメを見ても小説を読んでも分からない。


どうしたら誰かを好きになれるのだろう。

どこに行けば誰かに恋するのだろう。

いつになれば誰かを愛せるのだろうか。

 

fin,


作:町田のフリー台本・簪 夜帷

(かんざし とばり)

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-あとがき。


恋の行方をお読みいただき、

ありがとうございます。

感想は、𝕏(旧:Twitter)にて、#町田のフリー台本 とタグを付けていただけたら幸いです。

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【ソロ劇】シェーレグリーンの花嫁

-ナレーション

「」セリフ

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【ソロ劇】シェーレグリーンの花嫁


-私はお姫様のようになるのが夢でした。

綺麗な服は流行遅れでしか買えない高価で貴重な物でした。

宝石の様な緑のドレスを贈られたその時までは。-


「勉強をしなさい!と母は言うわ。

夢なんてもの贅沢なものは恵まれた人間にしか与えられない!と父は言うわ。

逆だったかな。…いやもう覚えていない。

私はお姫様のようになってみたかったの。

でもね、今はとても幸せよ!

あなたが緑のドレスを贈ってくれたから

あっ、えっと……

ものを贈られて嬉しいという事ではないわ!

男性からのプレゼントなんて初めてで…少し舞い上がっているみたいなの!」


「私の家は貧しくはなくても貴族ほど裕福では無いから。

それなりの生活がそれなりに困らない程度で、

流行のドレスや宝石は少し遅れてでしか買えなかったから。

まさに今流行しているドレスを着れるとは思っていなくて。

本当にありがとう。嬉しいわ」


「このドレスはシェーレグリーンという特別な染料で染められているのでしょう?

貴族の間ではその染料にもこだわっているとか。

いいえ、染料は貴重だもの。

こだわっていようと無かろうと、貴方が贈ってくれたのが何よりも嬉しいのよ」


「私と身分の差があるのに。

それでも私を選んでくれたということだけで私…とてもとても。胸がいっぱいなの!」


-しばらくして、貴族の間でシェーレグリーンのドレスを着てきた女性達がバタバタと倒れたと噂話が回ってきた。

それと同時に、死んだ女性も多くいるとあちこちで聞くようになった。

染料を扱っていた職人達も倒れていき、シェーレグリーンは毒の象徴のようになっていた。

それでも、美しさを求める女性達はシェーレグリーンのドレスを美の象徴としていた。-


-私のドレスもシェーレグリーンの染料が使われている。

彼は私にそのドレスを捨てろと言ってきた。

私は「分かったわ。」と言ってそのドレスを頑丈な箱の中にしまい込み、彼には「捨てたわ。」と嘘をついてしまった。

しだいに新しい流行が始まっていて貴族も街の娘達もみんな新しいものに惹かれて行った。-


-彼もシェーレグリーンの服を着ていた。

緑が映える顔立ちで昔から緑の染料の服を好んでいたから。

ある雨の日。私は黒いドレスを纏い、冷たい石の前で立ち尽くしていた。-


「どうして…どうして貴方が死ななくてはならなかったの?

シェーレグリーンが愛しい人を殺した…

流行なんてしなければ彼はシェーレグリーンの服なんか着たりしなかったのに……。

どうして!私も彼から贈られたシェーレグリーンのドレスを着てきたのに!

なぜ…私は生きているの?

……ねぇ…貴方が贈ってくれたドレスで私も死にたかった。

…置いていかないで!」


「頑丈な箱にしまい込んで、捨てたと嘘までついて…。屋根裏の少し曇った姿鏡の前で着ていたのに。

このドレスで貴方と踊れたら…このドレスを着た私を何よりも褒めてくれた貴方と…貴方の隣を…!もっと歩いて居たかった!

なぜ…どうして…?

貴方は私にシェーレグリーンのドレスだと言ったの?

貴方は知っていたのでしょう?

シェーレグリーンが毒だって…。

どうして私に贈ったドレスはシェーレグリーンで染めなかったの?」

 


 


-私は緑のドレスを着て彼に花束を添える。


-冷たい視線が雨のように突き刺さりながら。


-シェーレグリーンを纏いながら平然と歩く姿は、人々の目には薄気味悪く映っているのでしょう。


-人々は小声で囁く。(ささやく)


-シェーレグリーンの花嫁と。

 


fin,

 


作:町田のフリー台本・簪 夜帷

(かんざし とばり)

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-あとがき。


シェーレグリーンの花嫁をお読みいただき、

ありがとうございます。

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【朗読・詩】とある日の日常

フリー台本です。

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https://machidoku.hatenablog.com/entry/2021/06/30/135935

 

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【朗読・詩】とある日の日常


遠くから救急車の音が近づいてくる

2時45分のコンビニ。

救急車は通り過ぎて行った。

こんな時間に、と思いながら横目で眺めながらタバコを吸っていた。


運送業の人達は働き始めている時間なのだろう。

大型トラックも1台、また1台と通り過ぎて行く。


今日は雨上がりでアスファルトは濡れている

ひやっとした空気の中、電子タバコで小さな暖を握りしめる。

風の無い日といえど12月の屋外は冷える。

少しだけクリスマスに浮かれて出てきた事を後悔する。


聖夜だの恋人のイベントだのと世の中では言うがそんな予定も相手もいない私は独り身の軽さと共に独りの肌寒さを感じている。


タバコの煙か息なのか分からないほど白い呼吸を吐く。


寒空の下で少し冷えた身体を抱えながら帰路についた。

玄関先にモニュメントが絡まって助けろとばかりの猫がにゃーんと鳴いて出迎えた。

何気ない日常を噛み締めたとてもささやかなクリスマスになった。

【朗読・セリフ込】芽が香る

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https://machidoku.hatenablog.com/entry/2021/06/30/135935

 

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〖芽が香る〗

 

春がふんわりと和やかに。

曖昧な境界線を越えて。

雨がしとしと降り続いたその後は。


カンカンの太陽に深い緑の木々と蝉の声

嗚呼、空気が重たい。

雨上がりのアスファルトの匂いを強く感じて、じめったい。

氷の様な手足に凍えた冬が恋しくなる夏。


高く伸びる大きな雲が空の高さを感じさせる

弾力がありそうな輪郭のはっきりしたモコモコの雲が、忙しいという程では無いじんわりとしたスピードで形を変えていく。

遠くで雷の音がする。

きっともうすぐ雨が降る。


じわじわとした暑苦しさに慣れてきた頃、

赤とんぼが視界の端に見えた。

秋の足音はすっかり夏の重みに隠されている。

うっすら染まるモミジが密かな秋を知らせて

ふんわり香る金木犀


密かに秋が過ぎてほほに刺さる空気に惑わされる冬がくる。

冷えてかじかむ指で君にメッセージを打つ。

「今日は一段と冷えるよ。君が見たいと言っていた雪が降りそうだ。」


凍える寒さに耐えた先に、ほがらかな春が来た。

地面に隠れていた植物達がゆっくりと咲き誇る


桜色のフレアスカートを見ると君の姿と重なって、返事のないメッセージから君からの言葉を遡る。

「来年も芽が香る季節に逢いに来てね」

【朗読】水母が死んだ

ご自由にお使いください

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「水母(くらげ)が死んだ」

 

丸い水槽。

水流に乗って水母がふわふわする。

流されていても水母は綺麗で。

 


水母はほとんどが水で出来ている。

水が形を成して水の中を揺蕩う。

この上ない虚無感に安堵して癒されている。

 


部屋の中でぼんやりとライトに照らされて

薄暗く部屋で漂う。

まるで暗闇を照らす天使の様だった。


今朝、水母が死んだ。

薄明るい澄んだ朝だった。

虚無の中を水流がもの寂しくあるだけだった。

水母は水に体を還した。

それはまるで、泡になって消えた人魚姫の様で。

私は唯、何も無い水槽を眺めた。

そして、水流を止めた。


命が溶けたこの水槽を眺めて。

少しだけ瓶に詰めた。

明日、海に還しに行こう。

そして新しい命を入れよう。

丸い水槽は、命を育て終わりを見届ける

小さな海とした。


私は身勝手な自己解釈の上で、

身勝手な自己満足をして、

己の命を還す時を待っている。

【朗読・芝居】痛む胸に花を添えて。

この台本はフリー台本です。

詳しくはコチラ。⬇️

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【朗読・芝居】「痛む胸に華を添えて。」

 

 

分からない。

何もかもが分からない。

この感情はどれに当てはまるのだろうか。

 

 

胸の奥がキュッとする。息苦しいんです。先生。どうにか治してくれませんか。

 

薬ですか。きちんと飲んでますよ。時間も分量も守ってます。

破ったことなんて一度もありません。先生に診てもらってからは。


以前ですか。先生に会う前は食生活なんてろくでもなかったですよ。

人に会うことも怖くてたまらなかった。


先生のことですか。とても信頼してますよ。

以前は食生活どころか人として生きていくのがギリギリで精一杯でしたから。

先生の薬で辛うじて社会に戻れたのです。


先生はこうして私に質問をしてくる。

薬はきちんと飲んでいるか、

以前はどうしていたか、

先生をどう思っているか。

決まってこの3つを聞いてくるのだ。

私は決まってそう返している。

すると、薬を出してくれる。

けれど、私の質問には答えてはくれない。


胸の奥がキュッとして息苦しくなっていると言うのに、先生は答えているようで答えていない。

どうしてなのだろう。

他の人には答えているではないか。

ぐるぐると考えているとまた胸の奥がキュッとする。

息が詰まった様な感じがして、チクチクと痛む。

先生からもらった薬があれば、この痛みも無くなるように感じる。

だから、頭に霧がかかった様な、心がぼんやりとしていても私は薬が無くなれば先生の所へ行く。


とある日、先生の所へ行くと先客が居た。

話し声を聞くに、薬売りの様だった。

良い事では無いと思いつつも、私は壁越しに先生と薬売りの話を聞いていた。

特に変わった内容は無く、古い知り合いなのか親しげに数の確認をしていただけの様だった。

しばらくして、薬売りが先生にとある薬が少し多いのでは無いかと聞いていた。

先生は、その薬はとある子へ渡している薬だと言った。

その薬はただのビタミン剤だった。


どうにも私の体はどこも悪くないらしい。

こんなにも胸の奥がキュッとして息苦しいと言うのに、病気では無いのだという。

私がここへ初めて来た時、調べた時からそうなのだと。

私はどうかしていたのだろうか。

私は病気では無い事を教えられたが、どうにも胸の奥がキュッとして息が詰まってたまらないと、強く訴え続けて居たらしい。

根負けした先生はビタミン剤を渡したのだと。

それから私が来る度に、ビタミン剤を渡すのだと。


私は思わずその場から逃げる様に立ち去った。


そうだ、そうだった。

私は病気では無いと先生に言われたのだ。

けれど、この胸の奥がキュッとするのがなんなのか、この息が詰まった様な苦しさはなんなのだと、問い詰めたのだ。

分からなかったから。

小さな街医者の先生なら、子供達や、

綺麗な女性や、紳士、ご老人にも好かれ、

優しく微笑む先生だから分かると思ったからだ。


私の質問に答えないのは、答えられないからだ。

これは、体を悪くしている病気とは別の病いなのだと。

先生が教えるのでは無く、私が気づかなくてはならなかったのだ。


分からなかった。

何もかもが分からなかった。

この感情がどれに当てはまるのか。

分かってしまった。

いや、気づいてしまった。

私は分かっていたのかもしれない。


これは、恋の病であると。


それからしばらくして、先生は長くお付き合いしていた男性と結婚式を挙げた。

それはそれは、穏やかでとても美しかった。

街中が2人の幸せを祝福していた。

私も、2人の幸せを祝福した。


いつか世界が変わるのなら、私も恋した人とお付き合いをして、穏やかな結婚式を挙げられるだろうか。

恋した人が異性でなくとも。

 

痛む胸に華を添えて。

【朗読】私はあの子が。

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https://machidoku.hatenablog.com/entry/2021/06/30/135935

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「私はあの子が。」

 

あの子が目を丸くして、真っ直ぐ見つめてくるから。

そう。あの子が───…


あまりにもみすぼらしい体をあの子は頑張った証だと言った。

頑張ってなんかいない。

ただ愛されたかっただけ。

どれだけ傷つけられても痛みも全部を愛しいと思ってしまっていた。


あの子は、私とすごく似ているのに全く違った。

性格も考え方も何もかも。

私には行動力も決断力も無くて、性格はなよなよして、考え方は悲観的。

あの子は私の持っていない、いや、欲しいものを持っていた。

強くて、可愛くて、前向きで。

なりたい姿そのものだった。


この穴は異性でしか埋まらないと思っていた。

空いていたのは心の方だったのに。

気づいていても、満たされるかもしれないと言う小さな幸せを求めてしまった。

そこに幸せは無くて、求めるものなんて無いと分かっていても。


あの子に会ったから、あの子になりたいと思う様になった。

初めはただの純粋な憧れ、いつしか羨ましいと思う様になっていた。


私はあの子が。

あの子が、居なくなればいいと思ってしまった。


目を丸くして真っ直ぐ見つめて、

必死に止めようと説得するあの子の言葉に耳も傾けずに


私は。空を舞う事にした。

 


そう、あの子が。

私には少し眩し過ぎてしまっただけ。