町田のフリー台本/簪夜帳

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寂しさは嘆く〔散文〕

ちょっとばかりの独り

なんともなかった日々

あの時出会っただけなのに

今こうして、哀しいのは。

 

寒くて、すこし熱めのお湯に沈んでも

その寒さは和らがなくて

体はのぼせる一方で、心は冷えていく。

 

くるまった毛布に身を委ねてみても、

寂しさが眠りを妨げる。

冷えていく体に響く雨音。

 

ただ、あなたに触れたいと思った。

声と言葉て満たされていくのがわかる。

あなたの声は言葉は何をよりも暖かいから

音が静寂に変わる時。

寂しさは嘆く。

 

 

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