町田の台本を手に取って頂きありがとうございます。
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〔配役〕2~3人
主《リラ》女。成人しています。
《ロア》男の子。リラを慕っている少年。弟
《二ーレ》女の子。しっかり者でリラを慕っている少女。姉
ロアと、二ーレは双子
《父上》は(キール)も読む
《母上》は(ノア)もよむ
()-ナレーション()の配役が読む
完結編として書いています。
noa、kielも読んで頂けると嬉しいです。
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(リラ)-この世界は、あちこちの国と争い、沢山の血を流し、命を落としてきた。
《ロア》「ねぇねぇ、リラ様?この国の女神様と、英雄様ってどんな人なの?」
《二ーレ》「ロア!リラ様にはきちんとした言葉使いで喋りなさい!申し訳ありません、リラ様!」
《リラ》「いいのいいの!お仕事じゃない日ぐらい気楽にしましょ?」
《二ーレ》「ロア!リラ様のお優し心に感謝するのよ!」
《ロア》「はいはい!二ーレ分かってるよ。それより、リラ様!教えくれよ!女神様と英雄様の事!」
《リラ》「そんなに知りたいの?」
《ロア》「知りたいさ!国を。世界を平和に導いた方だ!リラ様は女神様と英雄様をよく知ってるって聞いたし!」
《二ーレ》「そう言えば、リラ様は、女神様と英雄様を間近で見ておられたとか。」
《リラ》「そうね、すこし、昔話をしましょうか、歴史を知るのも勉強だからね。」
《ロア》「それと、ちょっと違うかもしれないんだけど、王国は、なんで孤児を受け入れてるの?女神様と英雄様と関係あるの?」
《リラ》「この国は、戦いに出た多くの大人達が死んだ。国に被害は無かったものの、残されたのは、家族…特に子供達が多かったの。」
《二ーレ》「たしか、当時、女性も戦争に出ていたとか…」
《リラ》「そうよ、男は剣を持ち、女は救護にあたっていた、戦士をかばって死んでいく女性も居たわ。戦争に出ていたのは、夫婦が多かったから……。」
《ロア》「だから、子供が多く残ったのか…」
《リラ》「酷い戦争だったわ。奪われた命の数は生き残った人の3分の2を占めるような戦いだったわ。」
《二ーレ》「そんなに……今のこの平和からは考えられない……」
《リラ》「大魔術戦争……その時に、やっと、この世の争いが終わったの。
女神は、英雄と世界を愛したのよ、そうして世界を守った」
《ロア》「大魔術って破壊の魔術じゃなかったけ」
《二ーレ》「大魔術は破壊だけど、女神様は、大魔術を愛に変えた、女神様はとても凄い方ですね!愛ってすごく大きいんだ…」
《リラ》「どんな魔術にも、気持ちは大きく関係してくるわ。愛もそうよ。」
《ロア》「じゃあ、女神様の愛で子供達も助かったんだ!王国が孤児を受け入れてるのは女神様の愛のチカラなんだな!」
《二ーレ》「ロア!たまには頭がキレるじゃない!」
《リラ》「ふふっ。そうね、王国はね、残された孤児達を城に受け入れて、手伝いをしてもらいながら、勉強を教えて十八歳になったら街に出たり、城の人として働く様になるのよ。」
《二ーレ》「リラ様は、その子供達のお母様なんですね!」
《リラ》「そうね、みんなのお母さんね!」
《ロア》「やっぱり、リラ様は、なんでも知ってる凄い方だ!」
《リラ》「それからね、女神と英雄はこの国の大きなチカラになったのよ。
世界から争いを無くし、人々の幸せを願った。女神と英雄の名前は分かるかしら?」
《二ーレ》「もちろんです!女神ノア様、英雄キール様です!」
《ロア》「で、リラ様はその側近にあたる方」
《リラ》「正解!私は、ノアさんと、キールさんを1番近くで見てきた人で、小さい頃から一緒だったのよね。」
《ロア》「ノア様とキール様の幼少期!」
《二ーレ》「ちょっとそれは知りたいです!」
《リラ》「そうね…ノアさんはちょっとお節介で、キールさんは正義感の強い人かな。」
《ロア》「女神様…ノア様は女性だけど、戦士として戦ってた方で、英雄様…キール様は国王の元で軍を率いていて、隊長!」
《二ーレ》「ノア様は王国の中心に近い方なのに、なんで戦士に?」
《リラ》「キールさんは、国軍の隊長として、国王と同じぐらいの地位で、ノアさんは王国の中心に近いといっても、まぁ、お節介だったから軍の数が足らないからって男装してまで戦争に行ってたのよ。」
《ロア》「ノア様、キール様、リラ様は家族なんですか?」
《リラ》「ノアさんと、キールさんは血の繋がりはなくて、私はキールさんの妹よ。」
《二ーレ》「ノア様はお姉様の様な存在だったんですね!」
《リラ》「そうよ!大切な大切な家族よ!もちろん!あなた達もよ!」
(リラ)-2人をぎゅっと抱きしめた。
戦争時代から4年、5年経とうとしていた。
《ロア》「リラ様は淋しくないの?ノア様、キール様と離れ離れで。」
《リラ》「…寂しくない…と言ったら嘘になるわね。でもね、国の人々、子供達、それに、あなた達が居るから淋しくないわ!」
《二ーレ》「リラ様!私。リラ様が大好きです!」
《ロア》「二ーレ!抜け駆けするなよ!ぼくだって、リラ様が大好きだし!」
《リラ》「ロア…二ーレ…優しい子達ね。本当に…ノアさんとキールさんにそっくりね。」
《ロア》「?ぼくは英雄でもなんでもないけど…」
《二ーレ》「?私も女神様の様なチカラはまだ…」
《リラ》「そんなに目を丸くして…ふふっ。気にしないで、似てるなと思っただけよ!ふふっ」
《ロア》「リラ様はぼく達をノア様、キール様に似てるって言ってるってことは、ぼく英雄になれるかな!」
《二ーレ》「私は…ノア様の様な女神になれるでしょうか」
《リラ》「なれるわよ……だってあなた達は…………」
《ロア》「?リラ様?」
《二ーレ》「どうかなさいましたか?」
《リラ》「ううん、なんでもないわ。とにかく、あなた達なら、女神にも英雄にもなれるわよ!勉強頑張りましょうね!」
《ロア》「もちろん!」
《二ーレ》「はい!頑張ります!」
《リラ》「うんうん!その調子よ!」
《二ーレ》「リラ様、一つ気になる事があるんですけど、リラ様はこの部屋がお好きなんですか?」
《ロア》「リラ様の思い出の場所だって聞いた事あるよ」
《リラ》「ここはね、あなた達が産まれた場所、そして、ノアさんとキールさんを最後の戦いへ見送った場所よ。」
《二ーレ》「ここが……産まれた場所…知らなかった…」
《ロア》「女神様と英雄様もここに居たんだね!」
《リラ》「そうよ、本はキールさんがよく読んでいたものよ、魔術の本はノアさんのが読んでいたわ。」
《ロア》「よし、英雄になる為にここの本全部読もう!」
《二ーレ》「私も!女神様みたいになりたい!勉強頑張ろう!ロア!」
《ロア》「一緒に頑張ろうな!二ーレ!」
《リラ》「きっとできるわ、さっき言いそびれてたんだけど、あら。いい所に」
《二ーレ》「父上!母上!おかえりなさいませ!どうしてここが分かったのです?」
《ロア》「父上!母上!おかえりなさいませ!なぜ分かったのですか?」
《母上》「それはね…ふふっ」
《父上》「ここが、思い出の場所だからさ」
《リラ》「そうですね」
《ロア》「あ!リラ様さっき言いそびれてた事ってなんです?色々気になります!」
《二ーレ》「あぁ!父上と母上の思い出の場所ってのも気になります!」
《リラ》「ふふっ、それはね、あなた達ならきっと女神、英雄になれるってことよ。
国の…世界を守った人の子供だもの。
挨拶がまだだったわね。
王陛下、女王陛下……いや、
おかえりなさい。
ノア姉さん、キール兄さん。」
(ノア)-この国、世界には血に塗れた歴史がある。
(キール)-歴史は語り継がれ、そして、平和な日々を送るだろう。
(リラ)-いつまでも、いつまでも、女神と英雄がいる限り。
《ロア》「女神と共に!」
《二ーレ》「英雄と共に!」