町田のフリー台本/簪夜帳

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7:00(詩的台本)

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詩的台本タイトル【7:00】

 

一言だけのメッセージが届いた

大切な人からのメッセージだった

『さよなら』

たった一言。それだけ。

 

どこがダメだったかな。

どこで掛け違えたのかな。

2人で沢山話し合って、話し合って。

話し合ったのに。

1度すれ違ってそれから何度も

なにかの法則が働いて

交わって逸(ソ)れて、交わって逸(ソ)れて

そして交わらなくなった。

 

振り子がいつか止まる様に

この恋も、愛も、心も止まってしまった。

 

一言だけのメッセージになんて返そう

もう一度交わることはできるだろうか。

 

「お嬢さんとてもお悩みに見えるけれど。」

「そうですね。はい。」

精一杯の返事はとても無愛想だった。

唐突に話しかけてきた人は不思議な人だった

上手く文章に出来ないけど

不思議な空気を纏(マト)った

とても、とても綺麗な人だった。

魅入(ミイ)ってる間にその人は続ける

 

「愛って不思議な物。

最初はいつでも純粋で

学校なんかの洗いたてのプールぐらい心が晴れやかで、

とても澄んでいるのに

少しずつ水が汚れていく。

それは、どれだけ話し合っても。

ましては相談しても。

でも。

汚れた水に一緒に飛び込んでくれる人となら

どんな事でも乗り越えられると思う。

確信はないけれどね。

自分1人では大きなプールの水は綺麗に出来ないでしょう。

水ごと輝かせてくれる人を選ぶ事だよ

お嬢さん。」

「あ……ありがとうございます。」

その人はその言葉を残してお礼を言う頃には

姿を消していた

 

7:00。時計が丁度時間を指した

 

いつもならメッセージが来る時間

おはようの電話をかける時間

寝ぼけた声が聞こえる時間

この日そのメッセージも電話も無い

この日からずっとだ

今までのやり取りを遡(サカノボ)って見た

自分のメッセージを1つずつ消した

思い出を浄化するみたいに

交わした言葉を消した

すっかり一方通行のトーク履歴になった

 

ヘドロ塗(マミ)れになって沈んでいても

飛び込んでその水を綺麗にしてくれる人は

直ぐには見つけなくていい

少しだけその醜(ミニク)いヘドロに沈んで

醜い愛を噛み砕こうと思う。

 

1度自分で水を綺麗にしていく

その時飛び込んでくれる人が

きっとあなたの運命の人です。

確信はないけれどね。