町田の台本を手に取って頂きありがとうございます。
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『配役』
主《ノア》⇒男として戦場に立つ。(実は女)
ショタっぽい感じ。
《キール》⇒冷静で、シリアスに。感情的で
も男らしく。
《リラ》⇒妹
-〈ナレーション(ノア役)(リラ役)
「トータル時間」作者計測1人で⇒約8分
間の取り方によって変動するため。
『約10分』としています。
ところどころ、場面が急に変わります。
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《ノア》「ここはどこ…何も無い……知らないハズなのに、なぜか懐かしい。」
《キール》「起きろ!……起きろ……」(遠くから聞こえる)
《ノア》「ん?あぁ、キールか……もう少しだけ眠らせてくれよ…」
《キール》「起きろ!目を覚ませ!ノア!」
《ノア》「うっ…キール…どうしたんだよ……そんなに慌てて……」
《キール》「ノア……なんでこんなことに……くそっ、はやくだせ!」
《ノア》「…どうしたんだよ…キール、らしくないじゃないか…そんなに感情的になるなよ……」
《キール》「ノア、喋るな、はやく戻るぞ、少しの辛抱だ」
《ノア》「キール…本当にどうしたんだよ……ゴホッゴホッ」
《キール》「ノア!!!」
《ノア》「あれ、何があったんだっけ……そうだ、戦争は…どうなったんだ」
(ノア)-目覚めるとベットの上にいた。
(ノア)-ぼんやり覚えてるのは、キールとの会話のみ。
《リラ》「キールさんならすぐに戻られますよ。」
《ノア》「君は……」
《リラ》「リラです。やはり、覚えていらっしゃらないのですね。まぁ、生きてるだけで本当によかった……」
《ノア》「君は……リラは僕を知っているのか、覚えていないって、僕は忘れているのか?」
《キール》「ノア、起きたか。」
《ノア》「キール!あれ、お前…そんなに大人だったけか……?」
《キール》「王国戦争で、お前はとてつもない大怪我をしてたんだ、5年も眠っていたんだ」
《ノア》「5年?!キール冗談はよせよ……」
《リラ》「…冗談なんかじゃありません。貴方は大怪我をして帰ってきました…虫の息でなんとか生きてる状態でした。」
《キール》「ノア、お前は。俺やリラよりも、肉体に流れる時間が遅い。生かす為に子供のままにしている。俺が大人なのは、5年の月日が経っているの他、お前が成長していないと言うことでもある。」
《ノア》「そんなこと、できるわけ…」
《キール》「戦争は勝った、お前が身を滅ぼす覚悟で大魔術をしたお陰でな。肉体にかかった負荷は計り知れない。大魔術の反動でお前は虫の息になった。代償…ってやつなのかもな。」
《ノア》「戦争に勝ったなら良かった。」
《キール》「でも、戦いはまだ終わっちゃいない、次の戦争だ、かなり大きい……。」
《ノア》「また……キールは戦争に出るんだろ?なら僕も!」
《リラ》「ダメです!!行ってはダメです!」
《キール》「リラ…落ち着け、ノア、お前を戦争に出す訳にはいかない。」
《ノア》「なんでなんだよっ!…っ?!…鎖?!っ」
《キール》「すまない、大魔術の強大さは世界中に知れた、それを使えたお前が戦争で死んだりしたら、もう何も、誰も止められない。」
《ノア》「だからって……だからってなんで僕は鎖で繋がれなくちゃいけないんだ!!どうして、お前がまた戦わなくちゃいけないんだ!」
《キール》「本当にすまない、もうじき南の方へ出る、もう戦うしかないんだ、ただ俺はお前を失いたくない、ただそれだけなんだ。」
《ノア》「勝手な事ばかり言うなよ!」
《キール》「リラ、ノアを頼んだ。」
《リラ》「はい、分かりました。」
《リラ》「っ…落ち着いてください!」
《ノア》「落ち着けるか!仲間が、親友が死のうとしてるんだぞ!?なぁ!外してくれよ!」
《リラ》「っ……出来ませんっあなたは、もう、戦場に出てはいけません。」
《ノア》「なんで…なんでそんな……っ僕は…っ戦士なんだ!戦場に行かせてくれよ……っ」
《リラ》「………っ…一つだけ、約束してください…。自分の名を、口に出さないでください、絶対に…絶対に……。」
(ノア)-リらは涙ながらに鎖をはずした。
《ノア》「リラ…ありがとう。」
(ノア)-ノアは部屋を飛び出し、馬に飛び乗ってキール達の後を追った。
《キール》「ノア……なんでここに…っゴホッゴホッ」
《ノア》「キール!っ…リラに無理を言ったんだ、リラは悪くない、それよりひどい怪我だ、早く帰ろう!」
《キール》「ダメだ!!……っこの戦いで全てが終わるんだ。絶対に引き返したりしないっ!」
《ノア》「でも……なら、僕も戦う。」
《キール》「ノア!お前は……帰るんだ…っ」
《ノア》「こんな状態でまたそれか!!いい加減に……」
《キール》「ノア、お前は良く戦った、戦士として、国の為にその身を滅ぼしてまでも。もういいんだ、ノア。お前が戦わなくていい国を作る。だから…帰るんだ。」
《ノア》「何言ってんだよ、僕は戦士だ!!戦争があれば戦う!それだけだ!!」
《キール》「ノア!!……思い出せ……お前は戦士なんかじゃない……っゴホッ」
《ノア》「キールっ!…僕は、僕は戦士だ!!」
《キール》「くっ……ノア…お前は…っ帰るんだ……っ」
(リラ)-キールはボロボロのカラダを起こして、ふらつきながら戦場に消えていった。
《ノア》「キール!待って!!」
(リラ)-ノアは死体に刺さった剣を取り、戦場へ飛び込んでいった。
《ノア》「……。キール?……。」
(ノア)-敵王国の城の中、床に横たわるキールの姿があった。
(リラ)-ノアは血まみれの床にひざをついた。
《キール》「ノア……帰れって…言ったのに…っゴホッ…」
《ノア》「キール?!…キールを置いて自分だけ帰るなんてできない!……仲間だろ?…っ」
《キール》「……そう…だな……ノア…お前は……生きろ……生きてくれ…………。」
《ノア》「?っキール?…キール!ねぇ!キール!起きてよ!キール!!
なんで……なんで……人には生きろとか言うクセに!…なんで自分は…死んだりするんだよ!!僕が!…僕が戦わなくていい国を作るんじゃなかったのかよ!!!」
(リラ)-戦場から、城へ向かってだんだんと、戦士達の声が近づいてくる。
《ノア》「…このままだったら、完全に負けてしまう…。残された人達が……もう、これしかない…くっ…ごめんね……リラ……っ」
(はっと、大きく息を吸って止める)
《リラ》「っ!キールさん、ノアさん……そっか…終わったんだね……くっ…終わるんだね……。キール兄さん……っノア姉さん……っ。」(泣きながら)
①《キール》
『戦士よ!女神と共に!』
②《ノア》
『女神よ!戦士と共に!』