町田のフリー台本/簪夜帳

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籠の蝶(かごのとり)

吉原をイメージした作品です。

 

ナレーション1人、セリフ1人または、ソロ。

 

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ここは吉原、美しく着飾った遊女達が殿方を癒す場所。

 

格子(こうし)の向こうで煙管(きせる)をふかして、艶(つや)やかな素足が色っぽく、誘っている様で何処か悲しげに。

 

一際(ひときわ)美しいその女、

名を花魁。

吉原の頂点に立つ者。

 

「着物は翼、紅(べに)を引いた唇は嘴(くちばし)、

吐息は囀り(さえずり)

 

髪の一本から、爪の先までが麗(うるわ)しく、いついかなる時も殿方の為その身をゆだね、小鳥の囀り(さえずり)で鳴く。

 

誰かのモノに成り、誰のモノでもない。

わっちは吉原の蝶(とり)でやんす。」

 

 

今宵もまた、帯を解(と)いては乱るる髪、静けさに吐息が一つ。