町田のフリー台本/簪夜帳

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心声(こえ) 1人芝居

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一人芝居用。

語り芝居台本です。

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〈所要時間/約3分〉(作者調べ)

 

 

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心の声が見えたのならきっと、すれ違いは無くなるだろう。

心の声が聞けたのならきっと、もっと人に優しくなれただろう。

 

そんな事を考えても、目覚める朝は変わらない。

いつも通りに朝をむかえ、いつも通りに事をすませている。

目立つことも無い、目立とうともしない、いつも通りの自分。

傷つく事が怖くて、流される毎日。

目につかない様に言葉を選んで、誰にも、何にでも合わせる様に、姿を変える。

誰もがのぞむ姿を見せる、それでいいと言い聞かせて、本心は隠して。

誰かに必要とされていると思いながら、必要とされたくないと言葉をこぼす。

流され過ぎて、分からなくなってしまった自分は、幼いまま置き去りにして。

大人になりたくて捨てた心には、本当の自分を置いてきた。

 

小さくなった消しゴムの様に、気づかないうちに無くなっている。

だから今、無くしたモノが解らないでいる。

だけど、思い出さないでいる。

行き場の無い感情にまどわされたくない、悟られたくない。

心を隠す事だけが上手(じょうず)になっていく。

 

足を取られて転ぶ人を、笑う声が耳につく。

冷たい言葉が飛び交(か)う日常。

時はあまりにも平等だ。

たった一人の為に止まることはないのだから、

諦めれば済む話、考えてはいけない。

 

散らばった言葉を集めても、響く言葉は生まれない。

気持ちを伝えたくても、伝える事が恐怖になる。

伝え損なった言葉が、ゴミの様に足元を埋め尽くすだろう。

いつか、二度と出る事のできない、檻に変わって行くのだろう。

そんなふうに世界は動いてる。

世界は思ったよりも汚れている様だ。

 

言葉に色はないのだから、気づかない心の闇がある。