町田のフリー台本/簪夜帳

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「この夕暮の世界で。」1人芝居

※この台本は、一人芝居をメインとして作られています。

 

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セリフには、「」がついています。

読み方は自由。アレンジなど自由です。

声劇の練習などにお使い下さい。

 

 


《全ての劇人へ》

 

 

「この夕暮の世界で。」

 


眩しいけど、優しい朝日。

僕は目覚める。

いつもと変わらぬ日常。

台所に立つ彼女に「おはよう」と声をかける。「おはよう」といつものように返ってくる返事。

なにげ無い幸せ。

でも、

その幸せは長くは続かなかった。

 


数年前、この世界は人々に猛威(もうい)を奮(ふる)った。

「太陽が……半分に……」

「太陽の……分裂…」

太陽の爆発により、1つだった太陽は半分になった。

半球(はんきゅう)を保った太陽は世界を照らし続けた。

そして、朝と夜が消滅した。

 


太陽の爆発直後、人々は苦しみ、悲しみ、死んでいった。

「だれか……助けて……っ!」

「嫌だ……死にたくないっ!」

人々の悲鳴は止まることなく轟き続けた。

地下に逃げ込んでもその悲鳴は鳴り止まず、1部では残虐(ざんぎゃく)が起きた。

「どうして……こんなことに……っ」

「何もしなくたってどうせ死ぬんだっ!…殺す必要なんてないじゃないかっ!」

人類の崩壊と言われた。

 


「もう…この世界は優しくなんかない……」と呟く人がいた。

ギリギリの精神状態の最中(さなか)、地下生活の始まりだった。

それは、暗黙の数日と呼ばれた。

 


それから幾日、いや、数年の月日が経った。世界が人々に猛威を奮ってから、人々は地下生活から持ち直し、世界を建て直した。

日常を取り戻しても、失ったものは大きかった。

それでも、世界は人々に生きろと言った。

「この世界には、朝も夜もない、それでも、僕等は生き続ける。

この夕暮の世界で。」