町田のフリー台本/簪夜帳

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雨 (私的台本)

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https://machidoku.hatenablog.com/entry/2021/06/30/135935

 

基本自由なので自由に使ってください

 

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「雨」

 

雨音が静かに響く部屋で独りの夜を過ごしている

 

君は今何をしていのるだろうか

忙しいのだろうか、ゆっくり休めているだろうか

 

気づくと君の事を考えている

 

人肌が恋しいと言う

私には無縁の言葉と思っていた

そんな言葉を口にするだなんて

人を深く愛すなんて

人に愛されるなんて

そんな事この先ないと思っていた

 

生きる事を諦めようとしていた私は

人を好きになる事が怖かった

嫌われてしまうのが怖い、

心が離れていくのが怖かった

 

人からの愛が心地良いものだと知ってしまった

ずっとずっと欲しかったもの

 

幼い頃の私は自覚していなかったのだろう

無意識な言葉が成人を迎えた今でも

呪いのように纏(マト)わりついている

 

呪いと共に付いてしまった癖が無自覚に

自分の身を削っていた

優しさや良心だと思っていた事が

自己犠牲という別のものだという事に気づいた

 

1人ではそんな事にも気づけなかっただろう

君と会う事が出来たから私は気づくことが出来た

出会っていなければいつまでもずっと

自己犠牲を続けて

自分の身を、心を削り続けていたと思う

 

君の所は雨が降っているだろうか

君は体温が高い、その体温が恋しい

どれだけ布団や部屋を温めても寒い

物理的な温度では暖かい布団に入っていても

寒く感じる

上手く文章として、言葉として言い表せない

これが人肌が恋しいという事なんだろう

 

無意味に吸う煙草は肺が痛い

寂しく響く雨音を聴きながら

君の顔を思い浮かべている

朝が来たら連絡をしよう、1日を頑張ろう

 

私は物理的に暖めた布団に潜り込んで

目を閉じた。