町田のフリー台本/簪夜帳

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〔ソロ劇〕『嘘つき』

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https://machidoku.hatenablog.com/entry/2021/06/30/135935

 

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『嘘つき』

 

この世は嘘か真(マコト)か。

 

歌には力がある。だとか、

言葉には力がある。だとか、

込められた意味を紐解くことで勇気や、

希望を与える事がある。

伝える事がどれだけ大切で、

伝わる事がどれだけ難しい事なのか、

人の心に響くとか、動かすとか、

人が人に影響させる事がどれだけの偉業なのか。

 

誰かが何気なく放った言葉で、誰かが深く傷ついているとしたら?

誰かが何気なくした事で、誰かが困っていたら?

 

君が周りにどんな人だと思われていて、

得をしているのか、損をしているのか。

君たちは考えた事があるかい?

 

世の中みんなが真実だけを口にする善人だと思うかい?

信じるとは人を疑い、選び、ふるいにかけて、勝ち残った数少ない希望だ。

人は人を勝手に自分の希望にして、何かを託している。それもまた勝手に。

そして、その希望が自分の描く希望に程遠い時、裏切られたと言うのだ。

 

私は信じていた。信じて居たかった。

身勝手な希望を擦り付けて、

この人なら、と手を取ったのだ。

差し出されたその手を信じていた。

信じて痛かった。

私の小さな希望はこんなにも単純なのに。

あの言葉もあの言葉も、全部。

全部全部全部全部全部。

私が疑ったんじゃない、選んだのは確かだ、

ふるいにかけたんじゃない、天秤に賭けたんだ

1人よりも、2人の方が軽かった。

なのに。なのに。どうして。

何故!今、この天秤は1人に傾く!

ふるいかけて残った数少ない希望じゃないか。

私を救うと。放たれた言葉は。

嘘か真か。