町田のフリー台本/簪夜帳

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声劇/彼岸の猫

使用についての書き置き

https://machidoku.hatenablog.com/entry/2021/06/30/135935

 

確認程度に。ご自由にどうぞ。

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彼岸の猫(ひがんのねこ)

男3:女1:不問1

 

フラン:不問

アイリッシュ:男

スチル:男

ニヨン:女

シャド:男

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「彼岸の猫」

 

(フラン)「いらっしゃい。本日は何にしましょうか…。なるほど。

承りました。では、素敵な夜を。」

 

(スチル)「アイリッシュ…!これ、メンテナンスして欲しい。」

(アイリッシュ)「お!いいぞ!んー。この前ので少し歪んだな。予備を使ってくれ。これは直しとくよ。」

(スチル)「うん!ありがとう。」

(ニヨン)「あー!私のもお願い!」

(アイリッシュ)「あいよ!スチルとニヨンのね、明日には直しとくよ」

(ニヨン)「いつもありがとうー!助かるぅ〜!」

(フラン)「失礼するわよ〜!新しい仕事よっ☆」

(スチル)「お仕事!フラン!待ってた。」

(アイリッシュ)「最近多いな。んで?内容は?」

(ニヨン)「この前より高いといいわね!」

(フラン)「ホントに、最近多いわねぇ。でも、今回は高いわよ?あのシャドからの依頼よ」

(ニヨン)「あのシャド?!うっそ。ほんとに?」

(スチル)「シャドって、エモンの大きな組織の人でしょ?報酬弾むね。」

(アイリッシュ)「シャドの依頼じゃ、聞くしかねぇな。」

(フラン)「そうよねぇ!大型組織エモン。組織の頭シャド。あなた達の生活もシャドのおかげだものねっ!

依頼内容は取り引きに同行と掃除よ。

2日後、23時45分シャドが向かいに来るわ。」

(アイリッシュ)「2日後ね、スチル、ニヨン、いつも通りにな。」

(スチル)「うん。分かった。」

(ニヨン)「もちろん。」

(フラン)「頼もしいわ!頼んだわよ!彼岸の猫達♡」

 

(シャド)「久しぶりだな。元気にしてたか?」

(アイリッシュ)「もちろん!まぁ、最近仕事が多くて困ってるけどな笑」

(シャド)「そりゃあこっち側じゃ、腕が良いで評判良いからな」

(スチル)「良い評判。嬉しい事だね。」

(シャド)「おぉ!スチル!良い評判に貢献してるぞ!大きくなったなぁ。そうだ!新しい服を買ってやろう!」

(ニヨン)「シャドったら、スチルにべったりね。ま、スチルの可愛さは私が保証するけど!」

(シャド)「ニヨンがスチルに色々教えたんだってな。小さい子に汚れ仕事なんて気が引けてたが、才能は折り紙付きだ、これからも頼むよ。」

(アイリッシュ)「シャドがそんな事言うの、珍しいな」

(ニヨン)「ねー!普段褒めたりしないのに〜」

(スチル)「褒められた。アイリッシュとニヨンに負けない。頑張る。」

(シャド)「いつもに通り頼むよ。

さて、ネズミ狩りと行こうか。」

 

(スチル)「どうぞ、こちらへお掛けください。」

(シャド)「私が、エモンの頭をやらせて貰ってる、シャドだ。

早速本題だが、この取り引きはお断りさせて貰う。」

 

(シャド)「どうして…か。それはあんたらが1番分かってるんじゃないのか?

うちの猫達に喧嘩をふっかけたんだってな。

私は、私の愛するファミリーと猫達を恨む様な輩と手を組む気はまるでない。

あんたらの組織は終わりだよ。今日ここで。」

 

(シャド)「あぁ、この子の事か。

可愛いだろう?うちの猫だ。」

 

(アイリッシュ)「…そっち終わったか?」

(ニヨン)「はーい、終わったよー。

しっかし。骨の無い連中ね。」

(アイリッシュ)「そうだなー。想定より人数は多かったが、まぁ誤差程度。

たった2人に掃除されてちゃあ、この世界は生きれんだろうな。」

(ニヨン)「さて、シャドのところに向かいましょ。スチルにお菓子買ってあげなきゃ!」

(アイリッシュ)「シャドの奢りでな!」

 

(スチル)「…今まで人に向けてきた物が、こんな子供に向けられる気分はどうですか?

あと、女の子じゃなくて、僕は男ですよ。

バイバイ、おじさん笑」

 

(シャド)「…おつかれさん。スチル、かっこよかったぞ!」

(スチル)「かっこいい。シャドの役に立てて良かった!

あ、アイリッシュ!ニヨン!」

(アイリッシュ)「シャド、想定より多かったぞ。」

(ニヨン)「時間通り終わってるみたいね、流石スチル!」

(シャド)「すまんすまん。まぁ、多少の誤差。だろ?」

(アイリッシュ)「まぁ、多少の誤差。だな。笑」

(スチル)「今日はいっぱい褒められて僕は嬉しいし、特に問題無いでしょ?ね!」

(ニヨン)「問題無いけど、スチルの服、私の服、アイリッシュのお酒、それからお菓子も追加ね!」

(シャド)「それと、着替えて風呂に入って、昼にランチ。でどうだ?」

(アイリッシュ)「おっ!太っ腹!」

(ニヨン)「あ!私コスメも欲しい!」

(スチル)「新しい服!ランチ!お菓子!」

(フラン)「あら、盛り上がってる所失礼〜。私が居るの忘れちゃ困るわっ!」

(シャド)「あぁフラン!忘れてないさ、

金はここに。」

(フラン)「うんうん、確認したわ♡ピッタリ頂くわね♡」

(スチル)「ねぇフラン、この後みんなでランチに行くの。フランも一緒に行こう?」

(ニヨン)「名案!ねぇ、シャドの奢りよ!行きましょ!」

(フラン)「あら!それは行くしかないわね!

服にコスメにお菓子にお酒。バスボムも!」

(アイリッシュ)「こりゃあ、荷物持ちだな。シャド。」

(シャド)「あぁ、だな。

よし!決まりだ、猫達は風呂に入って出かける準備。おまけの仕事、お出かけの護衛って事で。

昼前に出発できるようにな!」

 

(フラン)「夜更けの街を猫が走る。

禁忌を犯したネズミを狩る。

足音ひとつ、聞こえた時には声も無し。

隠された爪などんな物よりも鋭く愛おしい。

今夜も何処かで猫が鳴く。

貴方も、素敵な夜を。」

 

『六月の君。-夢と花-』

利用規約

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ご確認程度に。自由に使ってください。

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短いお話です。

台本として読む場合は、朗読台本になります。

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『六月の君。-夢と花-』

 

雨に濡れるアスファルト

傘を打つ音。

滴(シタタ)る紫陽花。

浄化の様な澄んだ匂い。

 

六月。彼は。

 

「雨が好き。

雨がたくさん降る六月が好き。」

彼はいつも言っていた。

 

「六月なんて。じめじめしてて私は苦手。」

私はいつも言っていた。

 

「そっか。六月はじめじめするんだね。」

彼はいつも言っていた。

彼は知らない。

知っているのは、四月に桜が咲く事だけ。

彼は産まれてからずっと外を歩くのが夢だった。

彼は私に知りたい事を聞いた。

季節の食べ物、季節の花、季節の行事。

私はいつも言っていた。

 

「ねぇ。この花瓶にある花はどうしてずっと咲いて居るの?花は枯れてしまうんでしょう?」

「この花は造花って言うの。造り物のお花よ。だから枯れたりしないの。」

「造花かぁ。ずっと綺麗なままのお花なんだね。素敵だね。」

 

私は彼に小さな嘘を付いた。

この花瓶に生けた花は造花ではない。

彼が眠り、そして目覚める時、全く同じ花をそっくりそのまま生けている。

一定の周期で眠りにつき、一定の周期で目覚める彼が知らない事。

教えない事。

 

「ねぇ。君が良くベランダで白いモクモクしたものをふぅーってする物は何?」

「……え?」

「あれ。違かったかな。たまにねうっすら見える時があるんだ。

ベランダで白いモクモクしたものをふぅーってしてるところ。夢だったかな?」

「……そうね、きっと変な夢をみてたのよ。」

 

彼の言葉。

眠りが浅くなっている。

もう時期、彼の命が消えてしまうという事。

一定の周期で眠る事で命を繋いできた彼が眠らないという事はその繋がりが途切れるという事。

覚悟していた事。

彼の傍に居ると決めた時からこの時が来る事は分かっていた。

なのに。

 

彼はだんだん教えた事を覚えている様になった

眠ると記憶がリセットされるという宿命。

この機能が無くなっている。

教えた事を覚えている、知っているのが嬉しい

そんな彼を見ているのがだんだんと辛くなって行った。

 

六月。

 

「ねぇ。この花瓶のお花。造花じゃないんでしょう?」

「……え?」

「知っているよ。君がいつも全く同じにしてくれているの。目覚めたら綺麗なお花を見れるようにいつも用意してくれたんでしょう?

知っているというか、最近知った事だけど。」

「もしかして。。」

「うん。明日、死ぬよ。」

 

彼は清々しい程に澄んだ顔で自分の死を、人生を受け入れて居た。

私は彼になんと言葉をかけたら良かったのだろうか。

一族の宿命だとしても、その命は短く呆気ない。

彼は味すらも知らないのに。

いつの日か、誕生日には丸い大きなケーキにロウソクを挿して、火をつけて歳の者をお祝いして、主役は火を吹き消す、みんなでケーキを食べるんだと教えた事があった。

彼はいつかケーキを食べたいと言っていた。

こんな小さな願いも叶わない。

花の香りしか知らない。

自分の口に入れなくてはならない味だけはどうしても教えられなかった。

 

「君はお花みたいな人だ。何度目覚めてもその髪色だけは忘れなかった。

青みががった紫。紫陽花の様な髪。

いつも悲しそうな目をしていたね。

やっと違う顔が見れた。」

「…どうしてそんなにすんなり自分が死ぬ事を受け入れられるの。

貴方はやりたい事が沢山あるでしょう?

どうして。何故。」

「僕は夢を見れるだけで嬉しかった。

君が教えてくれる世界はとても綺麗で、

そんな綺麗な世界で生きれただけで幸せだ。

1つだけ、心残りだとしたら、君に会えない…こと。かな…」

 

澄んだ声で、澄んだ顔で

彼は話した。

 

浅くなる息。

弱まる鼓動。

熱が抜けた体。

止まらない涙。

依然として出ない言葉。

 

「……わがまま。かもしれないけれど…

1つお願いしたいんだ。

君の名前。名前を教えて欲しい。

もしも、目覚めたら君の名前を呼びたいんだ」

「……私は。…私の名前は…」

 

それから、一年後の六月。

 

「やっぱり私は六月は苦手よ。

貴方は雨が好きだったわね。

透き通った感じがするって言ってたかしら。

雨の日の静けさは私も好きよ。

特に、夜の雨は綺麗な夢が見れるから好きよ。

天気雨って、貴方が笑って話しているみたいね。

ねぇ、ずっとそう思っていたの、貴方はどう思う?夢。」

「そうだね。君は六月が苦手だったね。

天気雨を笑うなんて、君は変わったね。

昔に比べて色んな顔を見せてくれる様になったね、僕は嬉しいよ。

僕が六月を好きになったのは君の髪色が紫陽花色だからだよ。

そうだなぁ、天気雨ね、僕の笑顔には虹もついてくるよ。花。」

語り台本「空」

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ご自由に。

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語り台本「空」

 

皆さんこんばんは。

これは是非夜に聞いて頂きたいです。

先日の夜の事、

とても寒くて空気がヒヤッと、

歩く度に頬に触れて

耳が切れそうなぐらい痛かった日でした。

肩を丸めてバスを待ってたんです。

手にはぁーって息をかけながら空を見上げました。

その空には宝石みたいにキラキラした星がいっぱいに広がってて

丸まってた肩がスっと伸びて、見入ってしまいました。

星を見ていたら時間はあっという間でした。

 

そう。あっという間。

君が空を舞ったあの時程に。

【ソロ劇】紅茶とマカロン

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基本的に自由です。

たくさん読んでくれたらなと。

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「紅茶とマカロン」(ここから先全てセリフ)

 

あぁ!待っていたよ。

今日もレディグレイの茶葉とマカロンの詰め合わせだね。

 

カロンは、バニラとラズベリーと珈琲ね。

 

いつも同じ時間に同じ物を買って行くよね?

カロンは分かるけど、レディグレイの茶葉は少ないかい?

 

あぁ!プレゼント!

お友達に気に入って貰えて良かったよ。

 

ん?自慢の茶葉とマカロンを組み合わせて、

紅茶味のマカロンか…考えた事なかったな。

 

…いや!全然全然!良いアイディアだと思う!

作ってみるよ。

そういえば、時間は大丈夫かい?

 

それじゃあ、今日はゆっくりできるね。

もし良かったらお店でゆっくりしてって。

 

もちろん!お好きな席へどうぞ

レコード、好きな曲を選んで

 

……お!良いね!私もこの曲好きだよ

紅茶に合う曲だ。

 

ふふふっ。お嬢さんとは趣味が合いそうだ

…せっかくレコードを回して読書をするなら、紅茶を淹(イ)れようか。

 

お代?お代はとらないよ?

 

丁度、お茶にしようと思っていた所だったので、ご一緒にと思ってね

 

うん!それじゃあ、レディグレイ淹れてくるね

 

 

楽しい時間はあっという間だね

もうこんな時間だ、長らくご一緒してくれてありがとう。

 

それでは、またね。

あ。それと、帰り道には 狼に気をつけて。

 

ソロ劇【銃口】

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基本自由です。

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全てセリフです。性別不問。

銃口

 

今日もいい天気だな。

雲一つない晴天、こんなに晴れやかなのに。

なのに。

どうしてか、心は曇っている様だ。

 

あーあ、出かけるのも面倒だ

風呂に入るだとか、着替えるだとか、

生活のあれこれが面倒でしょうがない。

かと言って、仕事には時間通り。

気がついたら職場に座ってる。

 

長年叩き込まれた教育ってやつは

本当に面倒だ。

 

そして今日の仕事も面倒だ。

さっさと終わらせて、さっさと帰るに尽きる。

 

で、ここまで無駄話をしてきたが

話す気になったか?

さっさと口を割ってくれないかな。

もう今すぐにでも帰りたいんだよ、こっちは。

 

……はぁ。黙秘ねぇ?。

それじゃあ、選択肢だ。選べ。

1、全てを吐き出して解放される。か、

2、このまま黙って死ぬ。

 

……っあはははっ!真面目な顔で聞く質問がそれか?あははっ!

そうだ、お前は結局死ぬ運命だ

ヘマして捕まったのが運の尽きだなぁ?

ここで全て吐けば仲間に殺される、

言わなければここで死ぬ

それだけだ。

簡単に説明してやろう。

仲間を守るために死ぬか、仲間を裏切るかって事だ。

お前はどっちを選ぶ

全て吐くならイエス、言わぬならノーだ。

考える時間は与えたつもりだが?

丁寧に説明もしただろう。

 

いいか、よく聞け。

この世界は血で血を洗うだとか比喩されるが、

現実はそんなんじゃない。

死体に死体を重ねて階段を作って登り詰める世界だ。

上に行きたきゃ階段は自分で作るもんなんだよ

そして、先に相手を疑う、手数は増やして、置く

チェスは相手のコマを削るだが、

将棋は奪って手駒にするだろう?

残念だったなぁ。

散々信用してきた手駒が既に敵の手駒に鞍(クラ)替えしてたなんて。

 

そろそろ終わろうか。

拳銃は罪を手に染み込ませなくて良いよな

ナイフの様に、奪う感覚が手に残らない。

銃口はお前を向いていて、引き金を引いたら終わりだ。

答えを聞こう、イエスかノーだ。

……そうか。それがいい判断だと信じて逝け

 

命は脆くて、こんなにも呆気ない。

なのに一生懸命生きてる

お前は生きてて楽しかったか?

仲間ってものは美しかったか?

……返事は無し。っよし。仕事完了っと。

 

奪う者は、奪われる者ね。

全く面倒な仕事を選んでしまったもんだな。

 

それで?その向けた銃口を降ろす予定は?

無し、か。

では、こちらも同じ物を向よう、

と、言いたい所だが、

あいにく弾切れでね。

 

……あぁ、こちらの銃は、弾切れ。

と言えばよかったかな?

銃口ってのは目の前だけじゃないぞ

覚えとけ!

って言っても、意味無いか…。

 

さてと、今見た物はくれぐれも口に出さぬ様に。

分かっているね?

あなたは奪う者でも奪われる者でもない、

この事を口にしたら、あなたもこちら側ですから

どうか、奪う感覚を知らないまま、奪われずに。

 

美しい世界で、生きて。

あなたがいるから【朗読】

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基本的にフリーです。

ご自由に使ってください

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「あなたがいるから」

 

あなたがいるから、私は笑顔で居られる

あなたがいるから、私は頑張れる

あなたがいるから、私は前を向ける

 

あなたの事が心の底から大好きです。

 

楽しそうな声が私の心を暖めてくれる

可愛い声が私の事を応援してくれる

だから、私は前に進めてる

 

もっともっとあなたを知りたい

もっともっとあなたを見ていたい

 

お誕生日おめでとう。

あなたが幸せで、素敵な日々を送れる様に

私はあなたを応援します

産まれてきて、出逢ってくれて

ありがとう

朗読【あなたの言葉】

使用について。

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基本的に自由です。

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【あなたの言葉】性別不問

 


おはよう。おやすみ。

ありがとう。ごめんね。

いただきます。ごちそうさま。

こんなありふれた生活の一言だけど、

あなたと一緒だと、全部が特別。

 

ありがとうって沢山言ってくれるあなたが好き。

ちゃんと謝れるあなたが好き。

おはようもおやすみも、目をみてくれるあなたが好き。

いただきますってニコニコしながら食べるあなたが好き。

ごちそうさまって手を合わせるあなたが好き。

 

…大好きだよ。

 

このテーブルの向かい側。

あなたがいつも座っていた場所。

ここにはもう、お箸もお皿も置けない。

ペアのお箸もお皿もマグカップも、全部片っぽだけになった。

 

あなたの左手から指輪を外す。

 

…おやすみ。


左手で輝いていた指輪は、二つ並んで首元で光っている。

…おはよう。

 

もう一度あなたの言葉を聞きたくて。