町田の台本を手に取って頂きありがとうございます。
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[配役]
《ジュア》レーレス・ジュア。14歳。
家族を無くして、老兵に拾われる。
《イールア》× × × × ・イールア
老兵。ジュアを拾って、1年生活
し、生きる為の事教える。
() ←ナレーション。カッコの名前の役が読む
《?》←イールア役
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《ジュア》「っ母さん!兄さん!っ……どうして……なんで……。うわぁぁぁぁぁぁあ!」(泣き)
《イールア》「泣くな!、少年。お前も男だろう!…ここは危険だ。早くこっちへ!」
《ジュア》「離せ!離せってば!っ母さん!兄さん!」
《イールア》「暴れるな!少年。……。すまぬな……。」
(ジュア)-父親の顔も知らずに、母と、兄で幸せに暮らしていた。
父は英雄なんだと、母からよく話を聞いていた。
そんなある日、突然の事だった。
学校から帰ると、家は荒らされ、変わり果てた母と兄の姿があった。
《ジュア》「…っここどこだ……。」
(ジュア)-目覚めると、知らない家のベッドの上だった。
どうやら、担がれてそのまま眠ってしまったようだ。
《イールア》「起きたか。少年。ここはワシの家だ。……そうだな…、名はなんとゆう?」
《ジュア》「…ジュア…。レーレス・ジュアだけど。じいさんはなんて言うんだよ。」
《イールア》「ワシは、イールアだ。……ジュア、お前さん、兄さんや、お母さんの敵をとりたいか?」
《ジュア》「とりたいさ!今すぐにでも、強くなりたい!」
《イールア》「そうか……。では、稽古だ。いいか、1年だ、1年でひとりで生きていけるようになってもらうからな。」
《ジュア》「なっ!急に?連れて来て稽古って…むちゃくちゃだ!」
《イールア》「ジュアよ。家族を無くし、お前さんはひとりだ。これから先、ひとりで生きていく術はあるか?」
《ジュア》「……無いよ。……。あー!もう!分かった!強くなりたいんだ!教えてくれよ。」
《イールア》「いいだろう、厳しくても逃げ出すなよ?」
(ジュア)-家族を無くして、じいさんに拾われた。
毎日、毎日、稽古、鍛錬の日々。
生きる為の術。色々な事を教わった。
《イールア》「ジュアよ。お前さんは父親の顔を知っているか?」
《ジュア》「……知らない。名前もね。母さんから話は聞いてたけどさ。」
《イールア》「……そうか。」
(ジュア)-気づけば、家族の様に生活をしていた。
あっという間の楽しい1年だった。
《ジュア》「こんな所にいたのか……。探したよ。」
《?》「そうか。探した…か。」
《ジュア》「母さんと、兄さんの仇!そして、このナイフに誓ってお前を倒す!」
《?》「…クックック……仇か……いいだろう…受けて立つ!」
《ジュア》「余裕なのは今のうちだぞ……覚悟しろ。はぁぁぁぁぁあ!」
《?》「?!グハッ……ゴホッ……」
《ジュア》「はぁ…はぁ…これで……。終わりだ………。?!っ」
(ジュア)-床に横たわる敵の顔は、見たことのある顔だった。
《ジュア》「イールア?!……じいさん?……おい!じいさん!」
《イールア》「……強くなったな…ジュア…ゴホッ!」
《ジュア》「…これ…どういう…え?…なんで……どうなってんだよ…」
《イールア》「…ジュア…っ隠し事をした…悪く思うな……ゴホッ!」
《ジュア》「じいさん!…せめて…せめて名前を教えてくれよ!なぁ!じいさん!」
《イールア》「……これを…。っ!ゴホッ……一度しか言わない、よく聞け。……。強く生きろ…ジュア………」
《ジュア》「?!…じいさん?…じいさん!!おい!話はまだ……なんで……どうして……。うわぁぁぁぁぁぁあ!」
(ジュア)-じいさんは手紙を手渡して静かに目を閉じた。
その瞬間だった。
1年間の記憶が全身に駆け巡った。
《イールア》「ジュア!起きろジュア!朝飯が冷めちまうぞ!ほれ!シャキッとせい!」
《ジュア》「起きてる!起きてるってば!」
《イールア》「ジュアよ、今日は料理を教える。まず買い出しだな。」
《ジュア》「…料理か。スープならじいさんより上手いけどね」
《イールア》「スープばかりは流石に飽きるだろう。今日は少しばかり凝った料理を作るからな!」
《ジュア》「何それ!ちょっと豪華な雰囲気じゃん!早く買い出しいこ!」
《ジュア》「っ!クソっ。じいさん強すぎだよー。いてて。」
《イールア》「カッカッカッ(笑い)!このぐらいで弱音吐いて仇なんぞ取れんわ!」
《ジュア》「クッソ……もう1戦だ!勝ったら、じいさんの名前ちゃんと教えてよね!」
《イールア》「あぁ、勝てたらの話な(笑)」
《ジュア》「クッソ!絶対勝ってやる!」
《イールア》「ジュアよ、もうすぐ誕生日だな。」
《ジュア》「そうだな。1年経つな。」
《イールア》「コレを……。少し古いが、よく切れる。使え。」
《ジュア》「コレ…じいさんのナイフ……本当にいいの?大事なものなんでしょ?」
《イールア》「素直に受け取れ。稽古に、勉強…頑張った証だ。」
《ジュア》「……っじいさん…?このナイフ名前が刻まれてる……っ?!」
(ジュア)-ナイフに刻まれた名前を見た時、ナイフについた血に深い悲しみをおぼえた。
《ジュア》「……そうだ……確か…手紙が……」
(イールア)-ジュアへ。
全ては、私が引き起こしたものだ。
母さんと兄を殺した奴らは始末した。
私が守りきれなかったばかりに、お前の幸せを奪ってしまった。
本当にすまなかった。
そして、これまでの1年間、本当に、家族の様だった。とても楽しかった。
共に生きた時間は本物だ。
愛している。
レーレス・イールア
《ジュア》「……っなんだよ……カッコつけてんじゃねぇよ…父さん。」
(イールア)-それから月日は流れ、ジュアはこの国の英雄として、レーレスの名を轟かせた。
《ジュア》「ただいま。父さん。」
《イールア》「おかえり。ジュア」